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【第179回】岸田政権の経済財政運営(骨太方針2023を中心に)

内閣府特命担当大臣 (経済財政政策) 後藤茂之


<3つの重要ポイント>

  1. 構造的賃上げと課題解決型の投資を通じて新しい資本主義を加速

  2. こども・子育て政策をはじめとする未来への投資を強化

  3. スタートアップの推進により新たな産業構造への転換



岸田政権の経済財政運営

(骨太方針2023を中心に)

〇出演者:内閣府特命担当大臣

    :(経済財政政策) 後藤茂之

〇司会者:東京大学名誉教授 伊藤元重

    :(政策分析ネットワーク代表)


<概要:主な論点>

①骨太方針2023/新しい資本主義

②新しい資本主義:従来の経済政策との違い

③スタートアップ育成5か年計画について

④具体的なスタートアップ支援策について

⑤三位一体の労働市場改革について

➅こども・子育て政策の強化と財源について

⑦3つの重要ポイントについて


<文字起こし>


伊藤元重

こんにちは、東京大学名誉教授の伊藤元重です。政策分析ネットワークの代表も務めております。本日の番組のテーマはですね。岸田政権の経済財政運営骨太方針2013を中心にでございますよ。お話しいただくのは今の骨太方針まとめられましたですね。内閣内閣府特命担当大臣経済財政政策後藤茂之先生でいらっしゃいます。

伊藤元重

後藤先生はですね。同時に経済財政担当新しい資本主義担当スタートアップ担当。それから新型コロナ対策健康危機管理担当、そして全世代型社会保障改革担当を務めていらっしゃいます。今日のこれからお話しいただく内容の重要なところがほとんど担当をされているという。風に考えていただいてもいいと思います。

伊藤元重

それでは、最初に後藤大臣の方からですね。15分から20分、プレゼンテーションをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

後藤大臣

後藤でございます。今日はどうぞよろしくお願い申し上げます。それでは、骨太方針を中心として、新しい資本主義の基本的な考え方について御説明をしたいと思います。新しい資本主義っていうのは、一言で言えば社会的課題の解決を成長のエンジンにして、そして成長と分配の好循環をしていくということですけれども、大分その骨太方針に向けて、その具体的な内容を詰めてまいりまして、そういう意味では少し進めた形で新しい資本主義に取り組んでいるという事態です。

後藤大臣

まず申し上げると一番の問題点として、この四半世紀、どうして日本の経済がデフレに悩まされ続け、そして実質賃金がマイナスで経済がよくならなかったのか、そのことが大きな問題だとというふうに考えていますで、この一番の大きな理由は、コストカットを企業がせざるを得なかった。

後藤大臣

そのことによって、賃金がつじつまを合わせるためもあります。賃金をカットし、投資を抑えてきたで、そういうことが悪循環につながっていった。デフレスパイラルにつながったというふうに考えています。この辺の数字あたりがちょっと時間が関係で飛ばさせていただきますけれども、この新しい資本主義の考え方の基本というのをちょっと一言申し上げたいと思います。

後藤大臣

30年ぶりに高い水準となる賃上げになりました。これは中小企業でも3436という数字になっておりますし、企業部門でも投資が随分進んできまして、新しい動きが出てきているわけですけれども、この政策を推進するに当たって、まずこの表の下、半分成長と分配の好循環と賃金と物価の好循環というところに力を入れました。

後藤大臣

で先ほど申し上げたように、コストを価格に的確に反映をさせる。ちょうどこの賃金と物価の好循環の左下の話ですけれども、そのことによって賃金を物価に負けない分だけ上げられるように、そういうふうにしていく。この賃金と物価の好循環と、そして企業のサプライサイド強化国内投資を政府の積極的に支援することによって投資増、そして供給力生産性の向上から成長へつなげていく。

後藤大臣

また、成長の果実を企業が家計に賃金という形で所得分配することによって、消費も伸びる。そしてそのことが成長と分配の好循環につながっていくというのが新しい資本主義の考え方の基本ですで、この一番の特徴は供給サイドの改革ということで、今回の広島サミットでもアメリカ、そしてヨーロッパの各国からも大体供給サイドに注目した。

後藤大臣

政策がイエレンのゴダンサプライサイドエコノミクス、また、EUのグリーンディールというような形で進められています。賃上げの機運ですけれども、366という数字に今なっています。これは30年ぶりの数字なんですけれども、ではこの実質賃金との関係がどうなるかということでいえば、右の表を見ていただくと、CPIが今22年の段階で3点に今はもうちょっと高いわけですけれども、これは名目賃金が昨年は19です。

後藤大臣

これが今年の春闘ではこれだけ上がることになります。春闘の上がり分がみんな上がるわけではないので、一般労働者の定期昇給の所定内給与の分ですか。しかし、それでも27とかぐらいの上がりは期待できるだろうと今消費者。物価は徐々に下がりつつあります。

後藤大臣

国内の輸入物価は昨年ピークを迎えましたけれども、その後大体89カ月ぐらい下がり続けるということなので、夏ぐらいのある一定時期を過ぎれば、実質賃金がプラス方向に交差するのではないかというふうに考えています。それからこれは今、足元のまずは賃上げをすることによって失礼しました。

後藤大臣

物価に負けないようにしっかりとコストをマークアップするという話でしたけれども、引き続き賃金がしっかりと上がっていくために、三位一体の労働市場改革をやろうということで、ディスキリングによる能力向上、そして個々の企業の実態に応じた職務給の導入。また、成長分野への労働移動の円滑化ということで取り組んでいます。

後藤大臣

ちょっと急ぎますので、国内投資意欲も相当高まってまいりまして、昨年からも徐々に上がってきていますけれども、今年2023年は日銀の短観でも44という高いところから始まっています。経団連も115兆円ということで、投資を進めています。DAXADX、これらについては、経済産業大臣からもいろいろ話があったと思いますので、これは所管大臣に譲っていきたいと思います。

後藤大臣

それからもう一つあの新しい資本主義にとって、その考え方を体現するものの一つの代表がスタートアップ政策だと考えていますで、5年後の2027年度に10倍を超える規模の10兆円規模の投資額になるように、またユニコンを100社、また、スタートアップを10万社アジア最大のスタートアップハブを目指すということでまとめています。

後藤大臣

この内容については、また機会があれば触れさせていただきたいというふうに思っています。それから、グローバルグローバルスタートアップキャンパスというようなことで、DIPTYQUEに注目したそういう投資を行うことも考えています。それから、もう一つ、子ども子育て政策も重要な経済の成長戦略の基盤にあると思っています。

後藤大臣

今回の子ども子育て政策の特徴は、経済成長の実現と少子化対策が相まって、若者子育て世代の所得をしっかり伸ばしていく。そのことが重要だというふうに考えたということです。それから、子どもの政策を充実させるための3カ年の加速化プランにおいては、3兆円台半ばということで、OECDトップのスウェーデンに達する水準まで子ども一人当たりの家族関係支出を伸ばすということで取り組んでいます。

後藤大臣

そして、スピード感が大事だってことでくれを3年間の間で基本的に体操を実現するということで考えています。子育て、子ども子育て政策の具体的な内容については、これは子ども子育ての小倉大臣も内容については担当しておりますし、私の方からは少しスキップしたいと思います。

後藤大臣

それから私が担当している中で、特に外国との関係ということで、TPPの環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定について一言触れたいと思いますで、これは世界のルールの面でも、市場アクセスの面でも最も包括的かつハイスタンダードなバランスのとれた貿易協定の一つだというふうに考えておりまして、アメリカが抜けた後、残念でしたけれども、日本が中心となってTPPを取りまとめたというものですで、今回、英国がTPPに入るということで、21年からTPPへの加入申請が提出されて、

後藤大臣

日本は英国加入作業部会の議長を務めておりますので、交渉を主導してきまして、3月31日に実数妥結をしております。今議定書の作成中でありまして、議定書ができ上がったということを申し上げるわけにはいかない状況でありますけれども、4月の中旬には閣僚会議が開催を予定をされております。

後藤大臣

ちょうどちょっと私が映ってて恐縮ですが、スナックとしゃべっているところが出ております。それから、対内直接投資も非常に重要で、日本に対して対内直接投資をしてもらおうとで、これは伊藤元重先生に委員長を引き受けていただきまして、本当にお世話になりましたけれども、対内直接投資の残高を100兆円に引き上げていくという新たな目標とともに、アクションプランにおける具体的な取り組み等について、こうしたことを挙げて対内直投にも力を入れていくということで取り組ませていただいております。

後藤大臣

それから財政健全化の問題です。今回、骨太を議論するときに非常に大きな議論になりました。特に大きな議論になったのは、今物価だって、そして賃金も上がっています。その物価高で賃金が上がっている中で、例えば公定価格で生きている。例えば診療報酬だとか介護報酬そういうところがきちんと予算がはまるんだろうか。

後藤大臣

財政ルールを守っている中で、年末の予算編成ができるかということで大変大きな議論になりました。結果としては来年まである財政健全化のルールを維持するということになりました。分に書いてあるように、財政健全化目標というのは225年度の国地方を合わせたPBの黒字化。

後藤大臣

また、債務国債債務残高の対GDPをこれを引き下げていくということが目的ですけれども、どういう点に注目してこれを維持したかといいますと21年にも書きましたけれども、その目安の目標の中にはここにちょっと小さい字で恐縮ですけれども、経済物価動向等を踏まえということが記載されています。

後藤大臣

ですから、物価が上がるあるいは経済の状況に応じて、ここについて弾力的な対応を図りながら、3報酬の改定については、年末現場の社会保障が困らないように、しっかりと財政当局も知恵を出しながら進めていくと、そういうことで財政健全化目標についてはこれを維持するということで頼む取りまとめております。

後藤大臣

しっかりと社会保障の現場、そして財政に対する信認が失われないように、財政健全化の目標についてもしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。少し足早でしたけれども、私の方からまずは骨太の中心部分について御報告をさせていただきました。

伊藤元重

あ、どうもありがとうございます。大変重要な問題をこちら側からの事情で申し上げられませんけど、大変コンパクトにまとめていただいて、少しこれまでのお話とダブっても構わないと思いますので、いつかの論点についてさらに護送させていただきたいと思いますので、その後御発言御説明いただきたいと思います。

伊藤元重

一つはマクロ経済政策ですよね。はい一言で言うと、これまでとは何が変わったのかとあるいは違うのかということだろうと思うんですね。あの政策とは別にも何となく世の中が少し動き始めているかなと投資もふえてますし、それからなものですね。

伊藤元重

中で人の動きもふえてましてですね。外でそういう意味で期待感を持てるところなんですけども、アベノミクスの時代からずっとですね。デフレ脱却の取り組みを続けてきたわけですけども、なかなか達成できなかったっていうことも事実だろうと思うんですね。

伊藤元重

ですから、これ先もコントで上はいくのかどうだろうかということを不安に思って怒っている方も多いと思うんですけども、なかなか達成できなかった要因っていうのがどんなところにあったのか、あるいはこれからその新しい資本主義ということで、これまでとは少し違ったこともやられるということだと思うんですけど、どのような点がこれまでと異なるというふうにお考えになるのか、少し御説明いただければと思います。

後藤大臣

あのーデフレ脱却に向けてはアベノミクスというのは3本の矢を放つということで、大胆な金融政策、そして機動的な財政政策、また、民間投資を喚起する成長戦略ということで、デフレではない状況をつくり出したことは確かだとそうです。そして、GDPを高めて雇用を拡大しました。

後藤大臣

しかし、一人当たりの実質賃金とか、あるいは国内投資は伸び悩んで新型コロナウイルスの拡大とともに経済が大きく下押しされたということだったと思いますで、特に四半世紀を振り返って考えてみると、デフレによる需給需要の停滞と新興国の追い上げとかありまして、日本の企業も厳しい中でコストカットを始めと。

伊藤元重早い。後藤大臣

でコストカットをみんなでやったために、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、基本的には売値を抑えた売値を抑えて、そのつじつまを賃金をたたくことや支払いをたたくことに回ってしまった。そのために国内投資や賃金が抑制されてまあ言うならば、デフレの悪循環にから抜け出ることができなかったということだと思いますで、こうした点を踏まえて今回、岸田内閣においては、新しい資本主義を掲げて先ほども申し上げた賃金と物価の好循環と、そして賃金を上げることを起爆地点として、車の両輪で

後藤大臣

的確な投資を行うことによって、成長と分配の好循環をしていくで、今先生からお尋ねのあったじゃ、それはこれまでの政策とどこが違うのかいえば、基本的にはこの財政政府の投資というのが供給サイドに向けられてる。つまり、アベノミクスのときは機動的な財政政策はどちらかというと、需要サイドの政策でそのデフレギャップを埋めるとか、そういうことだったと思います。

後藤大臣

しかし、今回は供給サイドに当てる。だから8兆円の投資を課題解決型の投資に向けていくと、そういうことをしっかりやっていくということに取り組んでいますで課題解決型の投資というのはどういうことかということですけれども、例えば課題解決といっても、その少子化とか地球温暖化と漠然と言われても、社会課題の解決の具体的なターゲットにならないので、今回はAXだとか、あるいは経済安全保障上必要な半導体の投資だとか、あるいはバイオだとか、あるいは人への投資だとか、一般的に市場経済に任せ

後藤大臣

ておくと、なかなか十分な投資が行われない分野に対して集中的な投資を行っていくと。だからそういう意味でいえば、イエレンのゴダンサプライサイドエコノミクス。それはヨーロッパのグリーンビールに近いそうですか。こういう感じだと思いますが、そういう形の政策をとることによって臨んでいく。

後藤大臣

つまり、マークアップを高めることによって、まずはしっかりと給料の引き上げを行い、そしてそれが持続的になるように、しっかりと三位一体の労働市場改革を行う。あわせて人への投資グリーン経済安全保障の円へのしっかりとした政府の呼び水による投資を行うことによって、全体として成長と分配の好循環を実現していく。

後藤大臣

そういうところに特徴があるというふうに考えていますし、今先生から今指摘していただいたように、30年ぶりの賃金の引き上げが中小企業も含めて行われていること。また、企業の設備投資も国内に対する投資が非常に活発になってきているということで、新しい資本主義を加速させることによって、こういう動きをますます進めていくように取り組んでいきたいというふうに考えています。

伊藤元重

あのーアベノミクスでももちろん一方で、財政金融で刺激するという今の制度を追及はしながらですね。他方で成長戦略というんですか。サプライサイドでやろうとしたんだけど、今のお話だと残念ながらそこが好循環で回っていかなかったとで、デフレスパイラルの中で陥ってある意味でいうと、先になかなか進まなかったということで大臣のおっしゃった中で投資というのが心配で違うんですかとして、需要サイドでもあるし、サプライサイドでもあるということでいうと、デマンドとサプライの好

伊藤元重

循環みたいな間を回すという。風に考えてもよろしいんでしょうかね。

後藤大臣

それはそういうことです。ただ、私が言いたいのは需要政策というのはどちらかというと、需給ギャップを埋めるための需要政策ということではなくて、その財政出動を供給サイドの人への投資だとか、投資に向けてことというふうに考えると言う意味が供給サイドの政策というふうに申し上げていることです。

後藤大臣ですね。伊藤元重

新しい資本主義の理念の中でということ。

後藤大臣

になるそうです。それがだから一番の基本だというふうに考えていまして、今期せずしてポストコロナの経済状況の中にあって、ヨーロッパもまたアメリカもそういう方向に一斉にそういう将来に向かって走り出したということだというふうに思っています。

伊藤元重

これはよく別の言い方で、そういう政策競争みたいなことになっているんじゃないかということを言う人もいますけども、日本はやっぱりそういう競争に負けてはいけないという面もあるん。

後藤大臣

でしょうかね。いや、もちろんです。それはやっぱり日本の競争力を確保していって、そして一つ言えば国内にしっかりと投資をしてもらう。そのことによって働く方たちがしっかりと働けるように、そして賃金を労働分配をしっかりと高める中で、国民が豊かになりながら、だからやっぱりさっき申し上げた実質賃金が縮小均衡の中で上がらなかったことで、やっぱり日本は非常にその間、国内が沈滞したとしております。

後藤大臣

だからそういうデフレスパイラルとまでは言わないけど、デフレのこういう悪循環を今度はプラスの好循環に切り替えていく必要があるというふうに考えていますし、新しい資本主義の内容はそういうことだというふうに考えています。

伊藤元重

で毎週お話しやったように、そういう中で政策の果たせる役割って非常に大きいということなんだろうと思うんですね。はいスタートアップについてちょっとお聞きしたいと思うのですけど、岸田対格が掲げた新しい表示の実現に向けて作成したスタートアップ育成5カ年計画ですね。

伊藤元重

これの狙いはどこにあるのか。特に5カ年計画の目標が投資額が10倍ふえるとか、あるいはスタートアップが10万社、あるいはユニコンが100社こういう目標が立てられてるわけですけど、これを実現する上での一番の鍵はどこにあるのかとはい。

後藤大臣

あのースタートアップっていうのは新しい資本主義のそういう意味では一つの考え方を体現するものだというふうに考えていますで、日本にスタートアップがなじまないみたいな議論をされたかと思いますが、しかし第1次創業ブームっていうことを考えると、いや、ソニーだってホンダだってみんな町工場から始まったものです。

後藤大臣

ですから、第2の創業ブームを日本で起こす必要があるとで、人材と資金とオープンイノベーション。これに重点を置いてスタートアップ育成5カ年計画をつくりましたで5カ年計画具体的につくっただけではなくて、1兆円の過去最大の補正予算もそれに合わせて組む。

後藤大臣

そして5カ年計画をつくることによって、政府がある程度政策を1貫して続けるっていう民間の予見可能性を高めていく。

伊藤元重

コミットメントをする。

後藤大臣

ということを官民一致で取り組むようにしていきました。で5年後にとか、将来的にどういう数値を目指すとかいうことをお示ししているのも、そういうことです。それから一番の基本は何かというと成功事例をつくるということに中心しようとしましたし、つまりその5年というふうに区切っていますけれども、できる限り成功しそうなものを引っ張り上げると。

後藤大臣

だから平等にということよりも引っ張る成功事例をつくっていこうと、そして若い人たちがいやあ、面白いことがあるから、俺もやってみようと私もやってみよう。あるいは若い人たちのアントレプレナーシップ、そういうものに火をつけるアニマルスピリットという言い方もあるかもしれませんけれど、そういうものに火をつけていくことによって、みんなが挑戦するっていう挑戦への風を起こしていきたい。

後藤大臣

そういう意味で成功事例をつくり出すということに鍵があるというふうに考えて、この5カ年計画をつくっています。

伊藤元重

これは5カ年計画といっても、最初の23年で少しそういうものが見えてくるということを。

後藤大臣

結構ですね。今スタートアップは燃えてまして、ああそうですか。これをつくってたころには、日本にはユニコーンが6つしかないと言われましたけども、これも急速に増えてますし、そういう意味では今このスタートアップの世界は結構燃えているという感じです。

後藤大臣

私、一番いろんなところへ呼ばれて講演をしたり、あるいはイベントに呼ばれるのはスタートアップ担当大臣の出番が一番多いそうですか。はい。

伊藤元重

私の大学でこう教えてる学生で見てても、この10年ぐらいですね。スタートアップに行くというから、ずいぶん増えてましてねで、しかも面白いのは若い学生たちもそういう人たち。見て自分たちはロールモデルを探しているようなところは、そういう若い世代の中の世代間がある人の循環みたいなことが起こると、そういう意味で政府の役割という非常に大きいということがあるんですね。

伊藤元重

あのー、それについてもう少しだけ具体的に。そのスタートアップの支援策っていうのが政策としてどんなことをお考えになっているのかっていうのをお話ししてあげるといいじゃない。

後藤大臣

あのまず補正予算で1兆円ということを申し上げましたけれども、あのー、個別のプロジェクトを伸ばしたいってことで、今までITについて未踏事業っていうのがありました。でこれもしかしたら出した方がいいのかな。以下で未踏事業というのは、ITの分野に年間70人からの人たちをメンターをつけたり、あるいはいろいろな指導するみたいなプロジェクトがあったねで、これをITの分野だけではなくて、DEEPTECH分野なんかにも広げて5年後には年間500人の人にメンターをつけると、あるいは資金の援助をするっていう

後藤大臣

未踏事業とプロジェクトをやるってことにしています。それから出島事業と呼んでいるんですけども、5年間で約1000人の若い志のある人たちを世界のシリコンバレーだとかボストンだとかニューヨークだとかシンガポールだとか、海外のスタートアップ拠点に送り出して武者修行をさせて、要するにやる気に火をつけさせようということも考えています。

後藤大臣

それから、グローバルのスタートアップキャンパスというのを、これはやっと発表ができるようになりましたが、今フィージビリティースタディーをMITがやってまして、渋谷って言ってるんですけど、実際噂詰めてあのー恵比寿にキャンパスにここにDEEPTECHのスタートアップキャンパスを作ろうと、今これは最終的にはまだ決まっていませんけれど、フィージビリティースタディーで少なくとも名前を出すことまではいいというところまで状況は来ています。

伊藤元重

かなり詰まってきてるということでか。

後藤大臣

ないと、ぜひ被災者のさせたいと思います。やっぱりDEEPTECHの分野では、MITは大変にいい明治大学だと思います。そのDEEPTECHの関係を中心として、要はそこに要は日本の企業の力、そして日本の企業のネットワーク、そしてそこにベンチャーキャピタルだとか、いわゆるコーディネートする人達も合わせて含めることによって、スタートアップエコシステムの構築に進めていきたいという。

後藤大臣

風に考えています。それから、もう一つは資金ということからいうと、スタートアップのための公的資金の供給をしようということで、これは国内外のベンチャーキャピタルに問わず、国外のものも含めて国内で活動するものに対して公的な金を投入するということを掲げています。

後藤大臣

また、ベンチャーキャピタルがDIPTYQUEに投資するような場合ですね。例えば、ベンチャーキャピタルの出資と協調した補助制度として、例えば研究開発型のスタートアップについては5年間で1,000億円の予算を準備しました。それから創薬ベンチャーについては10年間で3,000億円を準備しています。

後藤大臣

産業革新投資機構には2,000億円のベンチャーグロースファンドを新たに設立します。それから第5にSBIA法的な調達の制度ですけれど、従来は非常に初期の研究開発段階にのみ適用していた補助の制度をこれを実証段階から投入できるように、これも2,000億円の基金を造成をしたりしています。

後藤大臣

だから、そういう意味で本当に引っ張れる成功事例を作るということで、直撃の対策をいろいろ考えています。それから、ベンツ、いわゆるスタートアップの皆さんにとって、結構大きなのは税制ですで、創業と事業拡大と出口の各段階を通じた支援策を考えていまして、まず創業段階としてはアメリカにはQSFBSっていってスタートアップから上がってくるキャピタルゲインを大体日本円換算で16億円ぐらいキャピタルゲイン非課税にする制度があれば。

伊藤元重困るわけです。後藤大臣

それをなかなかそれを全部棒引きで日本でするってのは、ちょっと難しかったけれども、より多くの金をスタートアップに投資してもらいたいということから、追加的な投資をする場合とか、あるいは別のスタートアップでもスタートアップに新たに投資する場合には。

伊藤元重

日本企業というスタートアップがビートルズとは。

後藤大臣

別のスタートアップに変えてもいいし、同じスタートアップスタートアップに追加的に投資する場合でもいいんですけれども、20億円までキャピタルゲインを非課税にするということにしました。それからスタートアップにとっては一番重要なのは資金がない中で、どうやって有能な人材を確保するかという問題ですで、その問題にしっかり対応するために一番重要なのは実を言うと、これはストックオプションの活用です。

後藤大臣

それでストックオプションは従来権利行使期間が10年だったんですけれど、10年だとディプティックみたいに足の長いものは若干やっぱり足りないということだったので、権利行使期間を15年に延ばしました。それから出口政策ということからいうと、やっぱり日本の場合はIPOにみんな行こうとするんですけれど、やっぱりうまく円安でみたいなものも使ってほしいということでオープンイノベーションを従来は新しい壁への投資にしか適用していなかった税制を、これを既存株に全部適用するということにしました。

後藤大臣

ですから、税制スタートアップの方たちから見ると、この税制は日本としては相当に前向きな税制改正をしたとこういう。

伊藤元重動き始めて。後藤大臣今度は形成。伊藤元重法改正で。後藤大臣

もうこれはもう実現。

伊藤元重

してるわけです。

後藤大臣

はい、あのもう既に去年の12月に入って、今年の税制改正で対応済みです。

伊藤元重

ああそうなんですか。はい全部お話を伺っていると、個別に随分具体的な踏み込んでなぜこの質問した方がおかしいんでしょうけど、これまでできなかったんですよかね。うーん。

後藤大臣

そのやっぱりそうですね。もうちょっと早くやり大臣が決める事じゃないので、いやいやいや。

伊藤元重

ただそうですよね。アメリカの経済を見ていても、この20年の中で見ると圧倒的ださに代表されるようなスタートアップないしは予備校みたいなところが結成引っ張ってきて、それを他の国も少し学び続けて広がってきている中で、もう日本も今しかないと。

後藤大臣

いや、やっぱりそれはもう本当に今この5年が勝負だと本当に思いますね。だから5カ年計画っていうのはその5カ年計画でゆっくりやろうっていう話じゃなくて、もう5カ年が最後の勝負の期間だという。

伊藤元重そういう。後藤大臣

つもりですね。で、そのアメリカには600ぐらいスタートアップのUNICORN企業はありますで、大体中国だとか、ヨーロッパがヨーロッパEU全体で150前後なんならね。日本は当時は独歩しかなかったで、それをだから、今どんどん大きくするって。

伊藤元重

これを100にしようという本当に。

後藤大臣

これは5年でできるかどうかわからないけど、少なくとも将来的にはメドがつく。その目処がつくと、この勢いだったらもう今急速に拡大してますんで、期待ができるっていう実感を持ってますし、引き続きもし政府が政策で応援できることがあるなら、引き続きしっかりとこれで良しとするのではなくて、応援をしていきたいと思います。

伊藤元重

これは本当に実現するとかなり世の中色のもが変わってきますよねで、まず先程冒頭のおっしゃった労働市場なんかも随分変わってくるのかなという。気がしますけどそうですね。

後藤大臣

労働市場の問題はこれは本当に三位一体の改革をやるってことは重要だと思います。ですから、これは3つのパーツからできてて、最初は点ディスキリングでさえ、このリスクリングっていうのはなるべく早くにこれは個人に向けてのディスキリングに切り替えていくと、企業を通じてじゃなくて、個人に対してディスキリングをするで、リスキーリングは何のためにするかって言うと、やっぱり職務給が明確になっていて、その身につけるとその新しい職で給料は上がるってことは見えてないとなかなかそうはならないので、

後藤大臣

日本型の職務給をしっかりと入れてくということをやりたいと思います。もちろん、職務給って言っても、ヨーロッパのようにいっぺんに給に完全に切り替えるわけにはいきませんから、日本型の職務給ってことでありますから、本人の将来の能力だとか選んの資格だとかそういうものを考慮することは日本型としてあるでしょうけども、少なくとも今、民間ではポスティングも当たり前になってます。

後藤大臣

ポスティング制度、つまり手を挙げてもらわそうですね。だから、そういうものをどんどん今入れてますので、この内部市場と外部市場をこう一直線でつなげるようにして、そしてそこに対応できるように、その結果として自発的な労働市場の移動が行われていくとで、その事によって賃金が上がる形での労働市場の移動というものを行うようにしていくっていうのが三位一体の労働市場改革ですで、これは年末に向けて具体的にいろんなことをどんどん進めていきます。

後藤大臣

で先ほど言ったマークアップをすることによって、まず価格を変える。これだって2万9000社のパートナーシップ構築宣言だとか、経団連の企業の半分近くがいわゆるサプライチェーン全体で価格を上げるっていう合意をしていまして、これもやっぱり日本のこの25年来のいろいろなコストカットっていうところから、やっぱりプラスに回転志向を変える。

後藤大臣

ただ、これだけでは持続的な賃上げはできませんから、労働市場を改革することともう一つは先ほども申し上げた投資をしっかり行わせていくことが車の両輪でしっかりと新しい資本主義の実現をしていくということだと思いますしました。

伊藤元重

あと、子育て、子ども子育ての話を少しお聞きしたいと思うんですけどな。世の中で議論とありましてですね。児童手当の所得制限の撤廃について反対する御意見もあったように思いますし、財源については先送りではないかと言う。御批判もあったというふうに聞かれますけど、この辺どんなふうに。

後藤大臣

まず所得制限の撤廃の問題なんですけれど、これはおっしゃるようにですね。高額の所得のある方に児童手当要らないじゃないかとプラスを結構強烈に決定してありました。それでそういうことなんですけれども、今回、あえて0歳の子供から高校生まで一律所得制限なしに児童手当を導入しようとしたことは、要は子供子育ての政策において、その過程の分断を生まないようにしようとなる。

後藤大臣

そして、子育てを社会全体で支えるという強いメッセージ国のメッセージを直接伝える。だから、家計がどうであるかということではなくて、子供の一人一人に対して国が児童手当を送っていくとよく反対される方もいまして、それはそうなんですけれど、しかしそういう方たちにじゃあその所得の多い方たちに義務教育は価格を取った方がいいんですかとお伺いすると、いや、それは国民全員に対して保障していることだからと、まさにそれを言いたいわけであろうね。

後藤大臣

子供は次世代を担う全ての子供の巣立ち支える基礎的な経済支援だというふうに考えて、その所得制限を撤廃するということに。今回は踏み切って非常に。

伊藤元重

広く結構説得的な議論です。

後藤大臣

ね。そういうふうに思っています。私も従来えてして言うともちろん所得の高い方たちにいろんな給付金みたいなものを差し上げることについては、一般論としては私もそう賛成なわけではありません。しかし、今回、あえて児童手当についてそういう決断に踏み切っているのは、それは社会の覚悟と子供お一人一人に対して。

後藤大臣

その全ての子供に対して応援をするという直接のメッセージを送ることというふうに考えています。それから財源も財源のこれは私が担当ですから、財源の問題はきっちりと言わなきゃいけないんですけれど、財源の確保については細かいところは丁寧に年末に向けて議論をしていきたいと思います。

後藤大臣

一方で、突然とんと案を出せば、やはりもうちょっと丁寧に議論すべきだったという他の分野での財政の議論のこともあります。そういうことも踏まえて、やはり財源の議論は丁寧。ただ丁寧にやるといっても原則は明確にしているというふうに思います。

後藤大臣

それはまずは財源確保のための増税はしないということは明確にしています。財源確保のためというふうにわざわざ断っている理由は、その負担調整のための増税まで全て否定しているってことではないです。だから、特に明確に申し上げると方向、先にだけ特定扶養控除が残っています。

後藤大臣

この扶養特定扶養控除を残した方がいいという議論があります。それはなぜかというと、大学高等教育については結構手厚に子ども子育て対策の予算が導入されます。義務教育の中学校高校ということを考えてみたときに、高校は費用がかかるんだから、高校の部分の特定扶養控除は残した方がいいという議論もあります。

後藤大臣

一方で、0歳から高校全部に対してこう例えば3番目の子供には例外なく3万円を給付することになるのであれば、その部分の特定扶養控除を負担調整としていただいてもいいのではないかと。つまりこれは増税ですで、増税ということはそういう意味では議論としてはあり得ることです。

後藤大臣

それから先ほど言った所得制限という議論との関係でいうと、特定扶養控除を廃止すると、高額の所得者は廃止した分が最高税率で聞きますから、相当な取り返しの効果はあります。しかし、一方でかかりますしをどうするのかというような議論はこれからやっていきたいと思いますで、そういう前提とした上で、2つの原則一つは経済を成長させて国民の所得をしっかりと引き上げていく。

後藤大臣

そういうことをしっかりやっていく。それからもう一つは、全盛が大型社会保障改革を構築する観点から徹底した歳出改革を行っていく。そのことによって、公費の節約等の努力、それから社会保険負担の軽減をすることによって、しっかりとその追加的な新たな支援金の負担がふえないように追加的な負担を生じさせないという枠組み内でやるということはお示しをしているので、そういう意味においては哲学は明確にした。

後藤大臣

具体的などういう社会保障関連の給付を対応していくのか。そういうことは今後、年末に向けて丁寧に議論していきたいと考えています。

伊藤元重

いや、まだ少しお聞きしたかったんです。時間が大分落ちたんですね。ぜひここでいつもお願いしてるんですけれども、最後にこれまでの論点で特に重要と考えられるもの。3つに絞っていただいてお話しいただきたいと思います。

後藤大臣

はい、もう大分語りましたけれども、3つポイントを挙げるとすれば、構造的賃上げと課題型の投資を通じて新しい資本主義を加速させていくこと、構造的賃上げということからいえば、バックアップの確保と三位一体の労働市場改革、そして供給サイドの財政出動を徹底的に通す態度で行うこと、それが重要だと思います。

後藤大臣

子ども子育て政策を初めとする未来への投資をしっかりと強化する。そのことによって、本当に2030年代に入るまでのこれからの6000年間の一番勝負のときにしっかりと少子化傾向を反転させるように取り組んでいきたいというふうに考えています。今後、3年間の加速化プランはしっかりと3兆円台半ばまで3年間でほとんどをやります。

後藤大臣

一部の適用拡大保険のこれはちょっと5年かかるところもありますけどから、スタートアップの推進による新たな産業構造への転換ということで、これは相当丁寧にお話ししましたけれども、こうしたことにしっかりと取り組むことによって、日本の新しい経済をしっかりと前に進めるように取り組んでいきたいと考えています。

伊藤元重

はい、どうもありがとうございました。あのー、今日のお話を伺っていて、個別の政策についてさらに質問させていただくと、全部丁寧に全てやっていただいてですね。本当はもう少し詳しく話したいと思うんですけど、私、個人的に少し楽観的だという理由はしっかりあるんですけど、やっぱり今いいチャンスの潮目の流れが変わってきていてですね。

伊藤元重

だから、そのときにこういう施策をやっぱり時間をあまりお金でやっていただけるということは非常に重要なのかなとで、きょう前半のシャッター中の話でやっぱりキーワードなる話して好循環ということだと思うんですね。やっぱり需要と供給の好循環はどう変わるのかとか先ほどおっしゃったような賃金と所得所得の価格の好循環だとかですね。

伊藤元重

いうことで、そういう意味では政府がやることは重要なんだけど、これに対して民間経済がどういうふうに反応するかということは重要になってきていて、そういう意味では今回のマクロの動きっていうのは今後、恐らく半年ぐらいの間でいろんなことが見えてくるであろうと思いますので、ぜひあの着実に実行していただきたいなと思いますから、子供を子育ての足はもうみんな重要だとは思っていてもなかなか動かなかった。

伊藤元重

政策ですから、こういう形で具体的に動き始めてくるとですね。多分次の中、いろんな議論が出てくると思いますので、さらにいろいろな形で政策を打ち出していただけれなという。風に思いますし、立場も丁寧に説明していただいた。キーワードで言わせていただくと、やっぱり経済全体がやっぱり創造的な破壊というんですか。

伊藤元重

はい。破壊というと、ちょっと言葉が悪いんですけど、旧来の仕組みとは違う中でいろんな動き始めてきているとで、廃タップでその象徴的なところだろうと思いますので、この部分で先ほどおっしゃったように、若い世代が自分たちもこうやればうまくいくんじゃないだろうかという。

伊藤元重

実感を持ってもらえるようなそういう循環がここでも循環が生まれてくればいいなというふうに思いますので、ぜひ進めていただきたい。

後藤大臣

また、個別政策は読んでいただいた差分をお話したいと思う。

伊藤元重

本当は時間がもう少しあればIDのお話をいただけたと思いますけれども、きょうの10分はの大変インパクトのある御説明。どうも本当にありがとうございました。

後藤大臣

どうもどうもありがとうございました。

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